社会課題 / social issues

京大発エネコート 宇宙に「ペロブスカイト太陽電池」 35年にも実用化へ

京都大学発のスタートアップ企業が、宇宙開発の常識を塗り替えようとしています。今回は、2035年の実用化を目指して開発が進む「曲がる太陽電池」について、その革新性と未来への展望をご紹介します。
出所:株式会社エネコート

1.宇宙へ飛び出す「曲がる太陽電池」とは?

京都大学発のスタートアップ、エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)は、宇宙空間で使用できる「曲がる太陽電池」を2035年にも実用化する計画を発表しました。この太陽電池の正体は、次世代技術として注目を集める「ペロブスカイト太陽電池」です。
従来主流だったシリコン製太陽電池には、「重い・硬い・割れやすい」という課題がありました。一方、ペロブスカイト型は、フィルム状の基板に特殊な化合物を“塗る”ことで製造されます。
その結果、「非常に薄い」「軽量」「自由に曲げられる」という特徴を実現しました。まさに、「貼れる太陽電池」とも言える新技術です。

2.なぜ「宇宙」でこの技術が必要なのか?

宇宙開発では、ロケット打ち上げ時の「重量」と「体積」が大きなコスト要因になります。ペロブスカイト太陽電池は、この課題に対して大きなメリットを持っています。
 圧倒的な軽さ      :従来のシリコン型と比べ、重量は10分の1以下.
 コンパクトに収納できる :紙やポスターのように丸めて収納できるため、宇宙空間で大きく展開することが可能.
 打ち上げコストの削減  :太陽電池を軽量化できれば、その分だけ観測機器や通信機器を多く搭載可能.
結果として、宇宙ミッション全体の効率向上につながります。さらに興味深いのは、ペロブスカイトの弱点とされる「湿気への弱さ」が、宇宙空間では問題になりにくい点です。また、薄膜構造であることから、放射線への耐性も比較的高いと期待されています。

3.実用化に向けた歩みと高い壁

このプロジェクトは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「宇宙戦略基金事業」に採択されており、国の支援を受けながら開発が進められています。ただし、実用化までには大きな課題も残されています。
宇宙空間は「強い放射線」「極端な温度差」「真空環境」が存在する過酷な世界です。太陽光の有無によって、数百度規模の温度変化が発生することもあります。そのため、こうした極限環境でも長期間安定して発電できる「耐久性」の確立が、2035年実用化に向けた最大の焦点となっています。

4. 未来を変える「ゲームチェンジャー」

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